二度目は誠実に
メッセージを送るよりは電話をしたほうが早いか……でも、忙しいかもしれない。

一時間くらい遅れると言ってる。信じて待とう。


「遅れて本当にごめんなさい」


沙弓は45分遅れで到着した。額にうっすらと汗をかいている。走ってきたので、頬が赤くなっていて息も少し上がっていた。オフィスからここまで徒歩10分だが、５分で着いた。


「そんなに急がなくてもよかったのに。なにかあった？」


「課長が……」


「課長？」


「明日の会議の資料を二枚足したいと言い出して……珍しく真剣な顔してパソコンに向かっていると思ったら資料を作っていたんですよ」


拓人は沙弓に言われて、大人しくパソコンに向かっていた課長を思い出す。あのときまさか資料を作っていたとは……。


「でも、会議は午後二時からなんだから、明日用意すれば間に合うよな？ 実際一時間もかからないで終わったみたいだし」


「心配性な課長ですよ。出来ればすぐにやって欲しいと言うから、内田くんと二人でやりましたよ」
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