そんな僕でも愛してほしい。〜拾われた彼らとの運命〜

「まさかさ、私が号泣していた声、全部聞こえてた?それとも慧が開けっぱなしにしたの?」


心に祈りを込めて、慧に聞いたのに帰ってきた返事は私の願っているものではなかった。

『うん、外から声が聞こえるなあ、と思って外に出てきたよ?』

その言葉を聞いた瞬間、私は慌てて部屋の中を覗いた。男が起きるときほどややこしくて、面倒くさいものはない。

私がしばらく黙りこんでいると慧は、

『じゃあそろそろ寝よっか。』

ニコッと笑って布団がある方を指差した。私もそれに頷いて、窓を閉めて布団に寝っ転がった。


『ねえ、ありがとね、光。』

慧の謎めいた感謝の言葉を不思議に思って、

『えっ?』

と振り向いて聞き返したが、もう慧は眠りについていて、確かめることはできなかった。

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