東と西の恋

心の弾み (東雲彰の心)



月が沈み、日が昇る。
人が動き出し始める朝。
俺は今、高校の職員室におる。

昨日俺の権力をすこーーし使ってこの高校に転校してきた。
それから担任を紹介され一緒に教室まで行く。
生徒はチャイムが鳴り教室にいて移動の際誰ともすれ違わんかった。

「じゃあ、呼んだら入れ」

と言って担任は教室に入っていく。
あぁ、彼女は俺を見てどんな表情をするんやろう。

「東雲、入れ」

と言われ入る。
教団の隣に立つ。
彼女はすぐに見つかった。
消え入るように後ろの端っこの席で、最初に会った時みたいにおさげでマスクをし、メガネをかけとる。

顔を隠していても表情はすぐにわかった。

「東雲彰です よろしゅう」

というと、女子の悲鳴が鳴り渡った。
そう、俺は彼女のいるこの彩凪高校のこのクラスに転校してきた。



休憩時間に入り彼女の元へ行こうと思たっんやけど………

「ねぇねぇ、東雲くんてぇ彼女いるのぉー?」

あっいう間に囲まれてしまった。
彼女をちらっと横目で見てみると我関せずと授業の準備をしている。
質問をされて軽くかわすが……

「どこの部活はいるの?」

次から次へと質問され顔には出さないが、さすがにめんどくさくなってくる。

「学校の事わかんないだろうから私案内してあげる」

「ちょっとズルいわよ!」

「そうよ!それより私が案内するわ」

喧嘩始めとるし……
あ、でもこれ使えるかも。

「ん〜 じゃあ俺が決めてもええ?」

女子たちは自分が選ばれると思い自信ありげに胸を張る。
そんな女子たちを通り過ぎる。
真っ先に迷わず彼女の元へ行く。

「よろしゅうな」

彼女の机の上にあるノートに書かれた名前を見る。

四風 月華

それが彼女の名前やった。
どうせなら彼女から名乗ってもらたかった。
ま、ええか。

「月華ちゃん」

名前を呼ぶと女子たちはショックを受け、彼女 月華ちゃんはぴしりと固まる。
ホンマに楽しみやわ。



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