二度目の初恋
嬉しいけど・・・何だか子供扱いされているような気持ちになる。

だがそんな思いは顔に思いっきり出ていた様で・・・

「もしかして・・・がっかりした?」

「そ・・・それは」

時任さんの口角が上がっている。もしかしてわざと?

「円があんな笑顔を作るから・・・不意打ち食らった気分で・・・」

「不意打ちってそんなつもりでは-」

「わかってるよ・・・ただ、俺嬉しすぎて浮かれてるのかもしれない」

時任さんはさらっと言った言葉だけど私には赤面しちゃうくらいの破壊力があって

まともに顔が見れなくて俯いてしまう。

だけど時任さんの手がそれを阻止するかのように私の顎に手をかけ、

くいっと上を向かせる。

そしてかすれるような甘い声で

「おふざけはもうおしまい」というとゆっくりと時任さんの顔が近づく

私も自然と目を閉じ、私の唇に時任さんの唇が重なり合う。


触れるだけのキスはすぐに離れて、その途端驚くほどの早さでドキドキして

治まる気配はなど全くない。

だってこれが私の初キスだったんだから。

すると時任さんは私の肩をポンポンと叩き指を指す。

それはお姫様と王子様が花に囲まれてキスをしている切り絵だった。

それを見て私は驚く。

だって今私達が立って向き合っている姿は

切り絵のお姫様と王子様と同じだったから・・・
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