二度目の初恋
恋愛未経験故の洗礼

同い年のお客様

「竹原家政婦紹介所から来ました小鳥遊円です」

『は~い』

緊張する~

家政婦になってから大邸宅や高級高層マンションでの仕事は多いけれど

毎回初日になると緊張する。

その家を見れば大体お客がどの程度のセレブかというのがわかるからだ。

今回、時任さんが誰からの紹介でここを利用できたのかはわからないが

所長がOK出すわけだと納得してしまうほどのマンションだった。

これが亮太の友達の住んでるところなの?とかなり驚いた。

だって高層マンションのエントランス横には住人が利用できる専用カフェがあるのよ。

ちょっと前にテレビで凄いマンション特集をやってたけど

多分カフェのあるマンションと紹介されたのと同じマンションだと思う。

勿論コンシェルジュもいる。

コンシュルジュさんには事前に連絡入れておいたから特に怪しまれなかったけど

自分とはまるで別世界。

エレベーターの登りのボタンを押し上を見上げると

45階から下っていた。

私はバッグからA4のファイルを取り出した。

その中には時任さんとの契約内容が書かれている。

その内容に改めて驚く。

恐らく亮太と顔を合わさないための策だと思うが

出勤時間は朝8時で終了時間は時任さんが帰って言いと言うまでという

今までにない契約内容だった。

その中で食事は勿論だが掃除を重点的にという依頼だった。

1ヶ月だけの短い期間だけどこの契約でかかる利用料金はかなりのものだと思う。

入らぬお世話と言われるかもしれないけど

『だって面白そうじゃん』でこんな契約交わすって

金持ちの考えていることはよくわからない。
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