二度目の初恋
寝室のドアノブに手を伸ばそうとした時にふと今朝の事を思い出す。

重なり合った腕の感触、背中に感じる厚い胸板。

脳裏に焼け付いて顔が真っ赤になる。

小さいときに亮太と手をつないで幼稚園に行くのとは訳が違うわけで

大人になって初めての経験がまさかお客様って・・・どうなのよ~

頭を抱えてみたものの、いつまでもぐちぐちと考えてたら仕事にならない。

気持ちを引き締め勢いよく寝室のドアを開ける。

寝室の大半を占めているベッドは普段通りだった。

だけど、昨夜はそこに自分が寝ていてその横にくっつくように時任さんも寝ていた。

それがわかる様に枕が左端に2つくっついてて・・・またも数時間前の事を思い出してしまった。

あ~~!だめだ~全く気持ちが引き締まらない~~


寝室を出ると手に持っていた洗濯物を洗濯機に入れてスイッチを押す。

洗濯が終わるまでに掃除機をかけてベッドメイキングをして

晩ご飯の献立を決めてから洗濯物を干す。

それから買い物と・・・やることはたくさんあって事考える暇はなくなっていた。




< 67 / 181 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop