分かりやすすぎる新島くん






本当に、


新島は、わかりやすすぎる。




「ねえ新島」

「……ん」

「…返事、は?」





不安げに問いかけると
新島が
また少しだけ、腕をきつくしめた。





「……俺も好きです。


……ずっと好きだった」







ああ、嬉しい。


全身を駆け抜けるみたいに、
好きが溢れる。




「たちばな」

「…うん」

「お、俺と、…付き合って」

「…うん」







この時の、
私は本当に馬鹿だった。


何も考えないままに
今この瞬間だけの幸せに囚われて



だってまだ、
なんにも知らない新島のこと


全部信用することなんて



できるはず無かったのだから。










< 40 / 41 >

この作品をシェア

pagetop