いきなり花嫁とか、ふざけんなです。
……もの凄い音が、響きました。



張り手の音。





デューノさんはすぐに離れて、相変わらずの無表情で頬を押さえています。


多分、大きな紅葉ができていることでしょう。

叩いた私の手も、じんじんします。


ちょっぴり、力を入れすぎたかもしれませんが、それくらいで丁度いいのです。



ふ、ふん!

ざまーみろです!

いい気味です!



………うん。

でも、この後どうしましょう!?

まったく、考えていませんでした。




そうやって、内心で慌てていると。




パチパチパチパチ……




場違いな拍手の音が。




えっ……?



音を辿ると……その拍手の主は、ハルクさん。

先程の笑みをまだ崩さずに、拍手をしています。



……えっと?




「お見事です、ソフスリー嬢。」

「……どういうことです。」

「自分の意志があるかどうか、それを貫けるかどうか。……デューノは、試しただけだぜ。」



まだ頬を抑えているデューノさんを見ながら、ソルデさんが答えました。


……いや、「だけだぜ。」じゃありませんから!

ほ、本当に何なんですかっ!

どういうことですかっ!



「……ルルノリア・ソフスリー。」

「なんですかっ!?」



また、フルネームに戻っていますが、そんなんもう、どうでもいいです。




一拍置いてから、デューノさんは続けました。










「歓迎する。……俺のものになれ。」










うん、何言ってるのかワカリマセン。



「嫌です!貴方なんか、だいっっっっっきらいですから!!!!」



そして、これからも好きになることなんて、絶対にありえませんから!!!!






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