彼女にしたい彼女の秘密。
*
「浩美さん?」
「おばさん」
「な、何よ」
「あの、拓くんに会わせてください……!」
「え、」
「お願いします…………!」
ぺこんとお辞儀する。顔なんか上げるものか。許してくれるまで、上げない。
「あーらぁ、あの人あんな女の子に頭下げさせて」「なんなのかしらねぇ」「あの子拓くんの彼女だった子じゃない?」
ちくちくした、近所のおばさんからの嫌味が聞こえる。
「まだあんな子いじめてたの、石野さん。拓くんだって生きているのに」
「お願いします…………!」
「何なのよ……いきなり」
どうして、今更。