彼女にしたい彼女の秘密。



「浩美さん?」
「おばさん」

「な、何よ」

「あの、拓くんに会わせてください……!」

「え、」
「お願いします…………!」

ぺこんとお辞儀する。顔なんか上げるものか。許してくれるまで、上げない。

「あーらぁ、あの人あんな女の子に頭下げさせて」「なんなのかしらねぇ」「あの子拓くんの彼女だった子じゃない?」

ちくちくした、近所のおばさんからの嫌味が聞こえる。


「まだあんな子いじめてたの、石野さん。拓くんだって生きているのに」


「お願いします…………!」
「何なのよ……いきなり」
どうして、今更。
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