彼女にしたい彼女の秘密。
おばさんがそのまま、きっと睨んで去っていく。

こんな残し方、酷い。酷過ぎるよ。


「成瀬」
「ごめん、今日は帰る」
「……うん」

植田も、あの感じだと気になってるだろうけど。

でも、ダメだ。今誰かといたくない。

「また明日」
「ん〜」

普通に会話してくれる植田は多分優しい。

いつもより、優しい。

もっと問い詰めればいいのに。なんでって、聞けばいいのに。気になっているんでしょう?
だったら聞いても聞かなくても気遣いなんて同じよ、馬鹿。

分かるんだから。
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