プロポーズ
ショックで黙りこくったあたしの顔を、沙織はのぞきこんできた。
謎めいたほほえみを浮かべて、
「ねえ、冬美さん、あなた、昔うちの旦那のプロポーズ、ことわったんですってね」
ねっとりとした口調で、そう言った。
あたしは息をのんだ。
ああ、この女、昔仲間はずれにされたことを、忘れてはいなかったんだ。
今日あたしを誘ったのは、見くだして、復讐するためだったんだ。
負けたあたしをさらに打ちのめすように、沙織は口をゆがめて、ニヤリと笑った。
〈了〉


