one year's story

告白

その後の帰り道、興奮も冷め、しばらく黙り込んでいた唯が、決心したように口を開いた。

「私さ」

「んー?」

「引っ越し…するんだよね」

「ふーん…ってええっ?!」

見事に典型的な驚き方をしてしまった私を見て、唯は軽く微笑んだ。

「誰にも言わないで行こうと思ってたんだけどね、幸紀だけには言いたくて。今までありがと」

「どこ、引っ越すの?」

既に私は涙目。

「んーとね、隣の藤永町!川本先生と一緒!」

「え、ほんと?近い?」

地理音痴な私はバカな質問をする。

「近い近い」

「また遊べる?」

「うん。引っ越したらハガキ送るから」

「うん!」
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