リナリア
颯も一緒に行くと言うから連れてきたんだけど。

李蘭とも仲が良いから。

「とりあえず、確かめたいことがあってさ。」

興奮してる私をなだめながら、颯は結城に目を向ける。

「結城くんって、李蘭ちゃんのこと好き?」

いきなり核心をついている。

少し間があり。

「ああ。」

「じゃあ、なんで大事にしなかったの?私、ずっと知らなくて、昨日初めて聞いたんだけど、あんたの行動も言動も間違ってるわよ?!」

「最初が間違えたんだ。好きだと言えなくて、李蘭はこの関係を望んでると…言ったらもう会えなくなるかもしれないと思って。それなら、言わない方がいいと思ったんだよ。でも、気がついてほしくて、誕生日にリナリアを渡したりしたけど、李蘭は何にもわかってなかったみたいだけどな。」

リナリア。

花言葉は…花屋で働いてる私ならわかるけれど。

李蘭にわかるわけないじゃない。

今年は重くなっていく自分がイヤで、何も用意しなかったし、おめでとうも言えなかったと。
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