農民生まれの魔女

「ケイト君?」

目を半開きにして今の状況を
理解していなさそうなイヴを見て
生きていたと安堵した

ケイトは自分自身の気持ちに驚いていた
僕の周りの人は皆自分の駒に過ぎないと
思っていて
イヴちゃんだって、眼鏡に魔法がかかってたから、何か隠してるんじゃ無いかと予想をつけ
弱みを握れると思って近づいたのに


眼鏡を取った後のあの表情
今まで見たことも無い様な無垢で純粋な
あの表情

僕は一瞬にして虜にされた


「うぅ、ケイト君どうしよう
壊しちゃったよぅ」


僕はその涙に見惚れていた
いつもかけている眼鏡は無く
ありのままの姿にイヴちゃんはなっていた


「どうなってるんだ、この有様は!」

野次馬や先生達が集まって来た


「ちっ、以外と来るのが早かったな」

「ゔっ」

突然イヴが胸の辺りを押さえて
苦しそうに喘いだ

「イヴちゃん大丈夫!」

ケイトが心配そうに背中をさすっていたら
イヴの雰囲気がガラリと変わった

「やめろ気持ち悪い」

イヴが背中をさすっていた手を弾いたのだ
ケイトはイヴの冷たく鋭い目付きに
ゾクッと寒気がした

「ちっ、厄介な事になったな
まぁこいつの魔力をちょっと拝借しちまえば
どおってこと無いぜ」

その瞬間イヴから大きな魔力の力を感じた
すると瞬く間に図書館は
時が逆流した様に組み立てられていった

< 29 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop