素直になれない雨と猫
3.はじまりとおわりのクッキー
数日してやっと雨が止んだ。

今回の雨は特別長かった。

このまま止まないんじゃないかってくらい、朝目覚めると雨音が耳に響いた。

おかげでわたしの気分は最悪だ。



「ちょっとでかけてくる」



今日は月に一度のマーケットの日で、アルセノイドの中心部にある広場は賑わっていた。

いろいろなお店がでるから、町中の人が集まるのだ。

飲食店や雑貨店など、見ているだけで楽しい。



「いってらっしゃい。気を付けてくださいね」



密花さんに見送られて、わたしは修道院を後にした。もちろん傘は持っていなかった。







まさか、また彼に出会うなんて、
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