俺様副社長のターゲット
今思えば、帰りは尚輝は家まで送ってくれていたし、休みの日にはデートにも出掛けた。


勿論、ファーストキスも尚輝だ。尚輝はずっと優しく接してくれていた。


だけど目の前に現れた尚輝は私に鋭い視線を向けていた。高校時代には見せない表情だった。



「俺の秘書になれ。」



尚輝は何を考えているのか?



「朱里を手に入れる為だ。」



今更、私に復讐してる?


勝手に別れを告げた私に復讐してるの?



「尚輝先輩。私は二度と貴方とは付き合いません。だから手に入れる事は無理ですよ。」



車が走り去った後の道をずっと見つめていた。



「尚輝先輩の思い通りにはならない。」



私の強い決心、そして教訓から私の口からは自然と言葉が漏れていた。
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