俺様副社長のターゲット
「松井さん、尚輝を許してやって?コイツ、松井さんと別れた時、滅茶苦茶ヘコんでたし。」



「おい、賢人。」



「それに後悔してる。女達の話し声が聞こえてきた時、尚輝、机を蹴飛ばして女達に怒鳴ってたし。」



「賢人!」



「松井さんの嫌な想いは消せない。だけど尚輝の後悔の気持ちも分かってやって。」



佐伯課長が優しく微笑む。尚輝と同じようにイケメンなのに雰囲気が随分と違う。



「あっ、俺に惚れないでね?尚輝に怒られるし。」



「えっ?」



「それに彼女もいるし。」



「えっ?あっ、はい。」



優しいのかチャラいのか分からない。



「朱里。本当に好きなのか考えろよ。」



「…………好きだよ………きっと。」



最後の言葉は誰にも聞こえないような声で呟いた。



「やっときたね!食べよ?」



私達は急いでお昼を食べ始めた。



秘書課、皆の優しさを味わった昼食だった。
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