俺様副社長のターゲット
「業務の内容は大丈夫か?」



「はい。峰岸さんから教えて頂きました。」



「そうか。スケジュールは?」



「はい。本日は15時より海外事業部との会議だけになっております。会食も特に入っておりません。」



「分かった。毎朝、スケジュールの報告を頼む。」



「はい。」



尚輝の言葉が切れたのを感じて席を立とうとしたが………。



「悪かった………。」



「えっ?」



尚輝の言葉にソファーから立ち上がった私は尚輝を見下ろした。



尚輝の視線が私に向けられる。その姿に息を呑んだ。




「悪かった………、助けてやれなくて。」



今にも尚輝が泣いてしまうんじゃないかと思った。それほど彼の瞳は揺れていた。



「朱里が………そんな想いをしているなんて気付いてやれなくて悪かった。助けてやれなくて悪かった。」



「副社長…………。」



「悪かった…………。」



今にも消えそうな声で呟いた尚輝が私から視線を逸らした。
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