俺様副社長のターゲット
あの日の約束通り、私は次の月曜から仕事帰りに煌太のマンションに通っている。


煌太もあまり遅くならない時間に帰ってくるし、少し煌太と話して家に帰る日が続いていた。



「水曜か…………。」



私の小さな囁きが漏れた。私は会社のロビーから外へ向かう。



「朱里、大丈夫か?」



背後から聞こえてきた声にビクリと体が揺れた。振り返れば、副社長が立っている。



「副社長、お疲れ様です。」



私はお辞儀をして挨拶をすれば、副社長も軽く返事を返した。



「っで、朱里は大丈夫なのか?疲れて見えるが。」


「大丈夫です。副社長、また明日。お先に失礼します。」



副社長にお辞儀をして私は帰ろうとしたが、腕を掴まれて副社長を見上げた。



「副社長?」


「送る。少し車でゆっくり休め。本当に倒れるぞ。」


「大丈夫です。ちょっと寝不足気味なだけです。」


「いいから、行くぞ。」
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