夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】

(5)

【ギルバート22歳の5月中旬/ギルの自宅】

「!……リディア、さん?!」

大雨の中、
リディアさんがずぶ濡れで家へ来た。

僕が玄関を開けて声を掛けると、
彼女は俯いていた顔を…ゆっくり上げた。


「…急に、ごめん。
アカリちゃんの笑顔、見たくなっちゃった…!」

そう微笑むリディアさん。
雨に濡れたその表情は、泣いていた。


絶対に、
ヴァロン君と何かあったんだ。

直感で感じて、
僕は気の利いた言葉を何も言えなかった。


ずぶ濡れのリディアさんにサヤさんは慌ててお風呂をすすめて…。
お風呂から上がったリディアさんを、
子供部屋でアカリと二人きりにしてやった。

無邪気なアカリにつられて、
リディアさんは微笑っていたけど…。
僕は、なんだか…胸騒ぎがした。
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