夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】

(7)

【リディア28歳6月/診療所】

「……。
……赤、ちゃん…?」

私はそっと、
震える手で自分のお腹に触れた。
勿論、まだ膨らみもない。
動く訳も、ない。

……けど。
堪え切れない涙と一緒に、愛おしさが溢れた。


あの、時の…?
ヴァロンの、赤ちゃん……っ///。

間違いない。
それは紛れもなく、大好きな彼との子供。
共に過ごした最後の夜、
ヴァロンと愛し合った時に出来た命だった。


……産みたい。
私っ…絶対に、産みたい……!

そう強く願う私。

…けれど、
医師は私のそんな様子を見てか……。
冷静に状況を告げる。
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