夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】

(4)


私とヴァロンが一緒にいる姿を見なくなった人達は、
「喧嘩でもしたのか?」と尋ねてきた。
私はその度に「お互いの向上の為です。」と、
嘘をついた。

その嘘は丁度良かった。
私もヴァロンもマスターに認められて、
お互い夢の配達人として仕事を始めた時期だったから…誰もが信じて疑わなかった。
上手く仕事を調整して、
私はヴァロンと休みが重ならない様にしていた。

マスターの息子である私。
白金バッジのリディアの弟子のヴァロン。
名声も期待度もすぐに広まって、
新人としては異例な数の仕事を互いに熟していった。


1番下の青銅バッジから銀バッジに変わるのには、半年もかからなかった。
金バッジに上がる為に仕事を熟して、
いつ下剋上でのし上がるか機会を窺っていた。

ヴァロンより先に上へ行きたくて。
私は負けたくなかった。


…でも。
ヴァロンへの気持ちを憎しみに変えた私に、
天罰が下る。
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