夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】
【シュウ14歳/夢の配達人医務室】

「視力が徐々に落ちていく病気です。
珍しい病で、今の所治療法がありません。
……。最悪、全く見えなくなる可能性も…。」

……。

全てに、耳を塞ぎたくなった。

性別も、恋も捨てて…。
自分が欲しいものをたくさん諦めて…。
ここまで頑張ってきたのに…。
自分の幼い頃から抱いていた夢まで、
奪われた。


自分の中で、
色んな事がいっぱいいっぱいで…。
その中でまた、
徐々に奪われていく視力という光。

いつか真っ暗になるのが、怖い。
明日目覚めて全てが闇に変わるのが…怖い。


……。

私は、
隠し持っていたナイフを…取り出した。


その時…。
ガチャッと医務室の扉が開いて…。
私のベッドの周りを囲むように引かれていたカーテンを、
誰かが…開けた。
< 94 / 497 >

この作品をシェア

pagetop