スーパー丸尾ブラザーズ
「ふみ兄、お風呂空いたよー」

もういいやって思ってスマホを放り投げた瞬間、名菜の声がした。

ちょうどいいからお風呂に入ってこよう。


シャンプーは朝だけど、夜は湯船だけに浸かるようにしている。

さっと体をお湯で流し、ザブンと湯船に入る。


……寒っ。

祥平か名菜の後はお湯がぬるくなっているから、追い焚きをした。


はぁって深いため息を吐く。俺だって健全な17歳の男子高校生だ。


ふと、めちゃくちゃやりたくなるときがあるんだよ。

彼女がいるのにお預けをくらっているのは、いつまでも我慢できるわけじゃない。


衣里にはそういう経験がないだろうから、俺も慎重にならないとだめだと思うけど、でももうそろそろ限界がきそうだ。


頭の中ではもうほぼ勢いで、うわーっと不満や悩みを高速で回転させる。

でもその考えの行き着く先が見えないから、再び大きくため息をついて、強制的にそれを終わらせるんだ。


そして、今度は後悔。泊まりなんて言わなきゃよかった。

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