スーパー丸尾ブラザーズ
風呂からあがると、ラインの返信があった。

アプリを開くまでもなく、待受のディスプレイには衣里の名前と、『ごめんね、泊まることはやっ……』という、本文の冒頭部分のみが表示されている。


断られることにはもう慣れている。

そのディスプレイに小さく表示された衣里の名前をタッチして、ラインを開く。


『ごめんね、泊まることはやっぱりできない。だけど史弥くんが部活終わってから、どこかで会いたいな』


クリスマスイブの土曜日、その日の部活はお昼までだった。

それを衣里に伝え、どこか行きたい場所があるのか聞いてみた。


衣里は浜白市から電車で1時間も先の町にある、個室があるカフェを予約してくれた。

同じ電車に乗る予定だけど、別々に行動して結局は現地集合。


……どんだけだよ。

それでもやっと初めてのデートだ。ちょっぴり浮かれそうにはなる。

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