スーパー丸尾ブラザーズ
俺は密かに貯めていた小遣いでプレゼントを買っていた。

控えめなデザインが衣里らしい、ピンクゴールドのピンキーリングだ。

イブの当日、それをポケットへ忍ばせ駅へ向かう。


駅にはもう衣里がいた。衣里のほうも紙袋を持っているようだ。

ちょっと目を合わせてからすぐ逸らす。


なるほど、確かに駅には知っているやつがいる。名前までは知らないけど、見たことがある同じ学年の人がいたんだ。

クリスマスということもあり、いつもより混んでいた。


さらにそこで、怜香の兄貴である真吾に久々に会った。


「史弥、久々じゃん!俺ら近所なのに会わないもんだよな。元気だったか?」


真吾も隣町に住む彼女の家へ行くって言っていた。俺は友達のところでパーティーをやるんだって言っておく。

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