好きだと思うんですがっ!?

「でもさ、それはアレでしょ? 古柳くんが普段どこにも出かけたりしないで暇だからって話が出だしじゃん」

「だからニブイのかなって話でしょ? 暇なら他のもっと仲良いやつと遊ぶし。むしろ遊ぶだけなら女子とよりも男同士の方が楽しいしね」


……た、確かに。


「あ、あのさ、あたしそんな風に思われてるなんてこれっぽっちも思ってなかったから、その……」


あたしは親指と人差し指で小さなスペースを作った。

そのスペースは豆が挟まる程度だけど、正直その大きさほど古柳くんの気持ちを考えてなかった。

というか気づいてなかった。


「いいよ。何となく気づいてたしね。俺は浮田さんと違ってニブくないから」

「ううっ……!」


ぐさっと突き刺さる言葉。その衝撃に思わず右側の胸を押さえた。


「それって普通、押さえる位置逆でしょ?」


あっ、さすがは古柳くん。気づくのも突っ込むのも早い。


「バレちゃった?」

「いや、普通気づくでしょそんな間違い」

「間違いというか……傷ついたけど心臓に突き刺さるほどの衝撃ではなかったって事、かな?」

「あははっ、何それ。なかなか酷いこと言ってくれるね」


なんて言いながら、古柳くんは笑った。
こういうところが彼の爽やかさをさらに際立たせる。


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