好きだと思うんですがっ!?

「あっ、お金」


今度こそって思って再び財布を出そうとすると、


「あっ、この映画続編やるんだ。俺、好きなんだよな」


なんて突然映画の予告編を見てそう言った。

なんの映画かと思ったら、人気のアメコミ映画だった。


……って、そんなことはどーでもいいんだよ。


「はい、これ」


ポップコーンとジュース代を割ったもの。それを星野くんに差し出した。

けど、星野くんは相変わらずこちらを見ずにスクリーンばかり見てる。


「ねぇ、」

「さっきの映画、来月公開らしい」


あたしの言葉を遮ってまで放った言葉は、まださっきの映画の話だった。

いい加減あたしの差し出したお金受け取って欲しいんだけど。


「そーみたいだね。そんな事よりこれ、早く受け取ってよ。映画始まっちゃうし、あたし後で請求されても忘れてるから知らないよ」

「はははっ、勝手な話だな」

「だったら……」


もうお金引っ込めてもいいかな? でも映画も奢ってもらったし、昨日のチャーシューまんだってゴチになったし。

そう思った時、星野くんがスクリーンからあたしへと視線を移動させた。


「来月、さっきの映画観に行こうぜ。その時、そのお金で奢ってよ」



< 93 / 189 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop