アラビアンナイト


あの時、健太と涼介が頭上で何か話してたのはジェイクのことだけじゃなくて、忍ちゃんのこともだったんだね。

「それにね、私も彼、健太君だっけ?彼の意見に賛成よ」

「えっ?」

忍ちゃんが再び椅子に腰掛けたので、私も同じように隣に腰を下ろした。

「前にね、中庭でお弁当を食べた後にありすが1人でどっか行っちゃったことがあったでしょ?
その時に3人で話してたんだけど、ジェイク言ってたわ。
俺がそんないい加減な気持ちで日本に来たと思う?って。
それって裏を返せば、ありすのことをすごく真剣に考えた上で日本に来たってことじゃないかしら」

「そう、なのかな…」

いまいち自信が持てなくて声が小さくなってしまう。
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