アラビアンナイト


後悔しているかと聞かれたら100%後悔してるけど、同じ場面に戻ったら、やっぱり俺は同じことをする気がする。

それくらい、どんなことをしてでもありすを他の男に取られたくない。

ありすの気持ちが少しでも俺に向くなら、あの悪の所業も俺にとっては大いに意味があるんだ。


やっと煙が立ってきて、

「伊藤!紙!枯葉!!なんでもいいから燃えるもの!!」

真田が大騒ぎをしている横から、火がつきやすいように、こより状にした新聞紙を火元に差し込んだ。

小さく赤く燃え上がった火が、徐々に新聞紙を伝って大きな炎になってくる。

その赤い炎を見つめながら俺の心は真っ黒な気分に覆われていた。


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