私の秘密の婚約者
嫌だ…これ以上、近寄らないで。
先週のことはもう思い出したくもないのに!!!

【先週のこと】
『お疲れ様でしたー』
今日はラストまで入ったため、時刻は深夜になっていた。
『気を付けて帰るのよ?』
『はーい』
私はいつものようにバイトを終えて、いつものように歩いて帰宅しようとしていた。
『久しぶりだね、莉音』
私に声を掛けてきたのは前のバイト先の先輩。
『先輩、どうしてここに?』
『莉音に会いたくて探したんだ』
『えっ…』
その時、私は本能で身の危険を察知した。
『ごめんなさい、今から用事があるので失礼します』
そう言って横を通り過ぎようとしたら腕を掴まれた。
『は、離して下さい!』
『莉音、逃げなくてもいいでしょ?僕は君がバイトを辞めてからずっと考えていたんだ。君は僕に振り向いてほしくてバイトを辞めたんだろうってね。僕は莉音がいなくなって初めて君の良さが分かったんだ。失ってから初めて気が付くなんて自分の愚かさに呆れたよ。そして僕は君を探し始めた。まさか隣町の引っ越していたなんて思わなかったから探すのが大変だったよ。でも愛の力で君を探し出したんだ。君は泣いて喜ぶと思ったのにどうして君は帰ろうとするの?君がバイトを辞めてまで振り向いてほしかった僕がいま目の前に居るんだよ?そうか、僕がいきなり現れて心の整理がつかないんだね。でも、大丈夫だよ。これからは僕がそばにいるから』
私は恐怖のあまり涙が出てきた。
『あぁ、やっと気持ちの整理ができ始めたんだね。これからはちょっと遠距離になるけれど、毎週、会いに来るよ』
この人は何を勘違いしているのだろうか。
『わ、私…』
すると先輩の吐息が首筋に掛かってきた。
『は、離して!!』
女の力で男に勝てるわけもなく、路地裏に連れ込まれてしまった。
私は両手を壁に押さえつけられて目の前には先輩の顔…つまり逃げ場はない。
『莉音…君を思い出しては何回も抜いたよ』
そう言うと私の首筋に舌を這わせた。
『いやっ!』
『莉音…あぁ、夢にまで見た莉音の身体だ』
そう言いながら、私の制服のボタンを一つずつ外していく。
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