溺愛されてもわからない!

「せっかくの週末だから、私に気にせず遊びに行っていいんだよ。ひとりで留守番できるから」

「月夜みたいな事を言うんだ」

「幼稚園児と一緒にしないで」

「似たようなもんさ」

手際よく冷蔵庫からレタスを取り出し、手でちぎる。

「すみれちゃんは好き嫌いない?」

「大丈夫」

「一緒に過ごそう。ずーっとベッタリと」

背筋がゾゾゾ。

「お風呂とベッドは別だよ」

真剣に言ったら爆笑する一夜。

「本気にした?ウケるわ」

「冗談なの?」

すんごい本気にしたんですけど
部屋に鍵まで付けてもらったんですけど。

「いや僕はいいよ。今夜はベッタリ一緒にいようか」
エプロンで軽く手を拭き
一夜は私の正面に来て
ジリジリと私を追いつめた。

その笑顔は何を思う?
王子様スマイルが怖い。

壁にペッタリべばりつき
逃げられない状態で一夜に壁ドンされてる私。

「すみれちゃん」

「はい」
綺麗な顔の男子って
見慣れないから怖いっ。

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