溺愛されてもわからない!

動いても動いても
彼の力は強く
余計に私に近寄り抱きすくめる一歩手前。

「誰?人を呼ぶよ」

強盗?泥棒?変態?
更衣室を使わない男子に囲まれてたから
裸の男子には慣れてるけど

こんなに
綺麗な顔をした
都会の男の人には慣れてない。

てか一夜君が危ない!

私は必死になってベッドに向かって叫んだ。

「一夜君逃げて。逃げて助けを呼んで。強盗が部屋に入ったって言って」

「強盗?僕が?」
グイグイと迫ってくる。

「一夜君!逃げ……」

「僕はここだよ。すみれお姉さん」

目の前の男が楽しそうに声を上げて笑い始めた。

え?

「僕のお姉さんになってくれるんだって?嬉しいね」

ヘビににらまれたカエルな私。
頭も身体も回らない。
パニックです。

クイッと細く長い指が私のアゴにかかる

「趣味は女の子と遊ぶ事かな。一緒に遊んでくれる?すみれお姉さん」

甘い吐息がかけられて
形のよい唇が目の前に近づく。

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