溺愛されてもわからない!

「初めまして。佐藤一夜です」

「うそ。だって一年生って」

「高校一年生です」

小学じゃなくて
中学じゃなくて

高校だったの?

じゃ同じ?

「ねぇキスしていい。お姉さん」

「キス?」

キスなんて単語
生まれて初めて口にしたかも。

「冗談じゃないわよ」

根性で思いきりの力を出し
私は彼の体を突き飛ばし
足をガクガクさせながら自分の部屋に飛び込んだ。

遠くから笑い声が聞こえる。


まさか
一夜君が同じ年齢だったとは。


私をドブスと呼ぶ
生意気な幼稚園児の月夜。

いきなり壁ドンしてキスしようとした
同じ歳の一夜。


家族に……なるの?

いや
無理でしょう!!!!!!
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