溺愛されてもわからない!
学校へ行こう

精神的にボロボロになりながら
和彦さんが用意してくれた自分の部屋に崩れ込む。

もう

無理。

部屋が広くてベッドまで遠い。
ほぼ四つん這い状態でたどりついた。

無理。絶対無理。
あんな
クソ生意気な幼稚園児とムダにエロい男子。

無理。ダメ。帰る。
都会は怖い。
頭グルグルする。
ずーっと車に乗ってたから身体も痛い。

「はぁー」って大きな声を上げてから
グルリと周りを見渡した。

女の子の部屋してる。

開かれたクローゼットには服が並ぶ。
靴もある。
新しい机に新しい本棚。
さりげなく目をベッドに戻すと
薄いピンクのベッドカバーとハートと星のクッション。
プーさんのぬいぐるみ。

田舎から持って来た荷物がダンボールひとつあるけれど
みすぼらしくて出しずらいや。

あの怖い顔した和彦さんが
一生懸命そろえてくれたのかなぁ。

今まで過ごしてきた
自分の部屋の倍の広さ。

広くて嬉しいような
寂しいような。

変な気持ち。



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