溺愛されてもわからない!

「それでいいの?」

耳元で聞こえる甘い声。
一夜の長い指が私の髪に入り込む。

「僕もすみれちゃんが好き」

静まり返った居間に一夜の声が響く。

その言葉に反射的に涙がボロボロ。
身体が崩れてしまいそう。

一夜は私の身体を強く抱く。
「もう誰にも渡さないけどいい?」

甘い甘い溶けるような声。
私は泣きながらうなずき
一夜の首に腕を回す。

「すみれちゃんが逃げても溺愛するよ」

「なんでもいいよ」

「投げやりだなぁ」

楽しそうな笑い声。

自分の気持ちを言って
一夜が答えてくれた
奇跡の夜
あぁ
だから今日はクリスマスイブなんだね。

目がウルウルして
一夜の顔が揺らめく。

「好きだよ」

優しいキスが待っていた。

ソファの上
そっと一夜の唇が私の唇に重なる。

「すみれちゃんが好き」

催眠術にかかったように
自分の身体が動かない。
一夜のなすがまま
その綺麗な顔で一夜は私に魔法をかける。

「大好き」

キス キス キス
キスの雨。

頬にまぶたに首筋に
鼻に耳に唇に

甘い甘いキスの雨が降る。

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