溺愛されてもわからない!
6人家族になった佐藤家。
綾夜芽ちゃんが来てから
バタバタと毎日が過ぎ
私が前中すみれから
佐藤すみれになって
知らないうちに
もう一年。
新しく庭に置いたベンチに座り
大きな家を見上げる私。
秋の始まりにお母さんとやって来て
あまりの大きな家に驚いて
生意気な月夜に驚いて
エロい一夜に驚いて
お父さんの職業に驚いて
都会に驚いて
学校に驚いて
佐藤家の金銭感覚に驚いて
お母さんをとられた気持ちになって
寂しくて
ひとりで泣いてた夜もあったっけ
でもそんな不安な気持ちは月夜にもあって
自分だけじゃないって思った
月夜を守りたいって思った
自分より小さい家族を守りたいって
不安を取り除いてあげたいって
強い気持ちがあって
その時きっと
私は月夜のお姉ちゃんになれたと思う。
お父さんと私も時間がかかった。
壁があって
お父さんの気持ちはわかるけど
どうしても壁が越えられなかった
きっとずっと
寂しい想いをさせたと思う。
お父さんは私に無理はさせず、優しくずっと見守ってくれていた。
壁を越えたら
溺愛しかなかったけど。
くすぐったくて
安心して甘える事ができる。
安心できるって家族なんだろうなぁ。