Turquoise Blue 〜空色のベース〜



「…裸で冷えたトコ居ると
風邪ひくよ」



− ん?と言った感じで
右側上から、『彼』が私を振り向く

そして一回
コンビニの中の時計を見ると
また本に目を戻した


「何読んでんの?」


『ファミ通り』


「…ゲーム雑誌?」


『……今やってるゲームの
特集がある』


そう言って彼は本を戻して

またゲーム雑誌ぽいのを
取って広げた



「…私も弟とゲームするよ
モラクエとか」


『…最新のやった?』


「やってたけど
最後近くのボスで
絶対勝てない敵いるから
悔しくてやめた。

クラスの男子が
あれは勝てない様になってる敵だって
言ってた……」


『勝てるよ』

「え?!」


『…ミストファルケンの剣わかる?』


「…えと…最初に
1番最初の町で、お爺さんに貰って、
ほとんどもう使わない奴でしょ?!」


『……それを、
サリーの鍛冶屋に持って行って
99、最高鍛練まで鍛える

それから主人公の、剣レベルと
素早さを、MAXまで上げる

これで勝てる』



「………ふへーー…。」



『あと』


「う、うん」


『…ベースの位置
もう少し下げてみたら

指 楽になるんじゃない』



「そ…そうなのかな
最初に座ってずっとやってたから
あの位置のままストラップつけてた…」


『…親指、変に痛くなるでしょ』


「うん 痛くなる」




『彼』は本を棚に戻して


またゴツゴツと
自動ドアに向かった





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