Turquoise Blue 〜空色のベース〜
『その場に居た人
ずっと突っ立って見てたよ



…アズライトが
風に吹かれて、瞳を閉じる時
髪がなびいて
耳にピアスが見えた

映画の事なんか忘れてた

そのまま

貴金属屋に入って
似たような石みつけて
…家に帰って、自分で針で開けた』





「……

彼氏いるんじゃん
あんな人だし」



『多分 離れてて 会えない』



「…何その情報」



『聞いたわけじゃない

アズライトの歌聞いてて
…そう思っただけ』


「…今回賞とって
デビューして、会えばいいじゃん」


『?…俺の事じゃないよ』


「…………」







− 嫉妬だって 分かる −

今、自分の中にあるのは


…加藤先輩も『Azurite』が好きなんだっけ

リナにもこんな風に
話してたのかな


…芸能人に嫉妬したって意味ないじゃん



「…もし
アンタの勘が当たってて

『Azurite』が
その人と会えたら
ファンの人みーーんな失恋だね!!」


『…俺は 彼女がその人と会える事を
祈ってるよ』



「……何それ
崇拝じゃん………」


『…彼女は俺に居場所を作って
くれたから』





……居場所


「…そんなの 家があるじゃん」

『それは体のでしょ』


「……当たり前じゃん


なんかさ!
自分だけわかってるみたいな言い方
感じ良くないよ!?」








− いきなり『彼』が立ち上がった −







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