Turquoise Blue 〜空色のベース〜



「ユカちゃん何?
考え込んで

青春の渦に突入中?」


「え!!あ いえ!」


「リナの事 ごめんな」


「あ…」


「オレね?基本的には
ユカちゃんみたいな子の方が
好みなわけ」


「んな…!!
な、何いっちゃってるんですか!
おかしいですよ?!
それ!!」


「ん〜まあ

…去年さあ
文化祭の準備があったわけですよ。
ね。」


「はい…」


「オレさ、去年、
すでにテレビ出た時から
事務所に声かかってたわけ

んでも
オレらのチーム全員が
声かけられてた訳じゃないって
よくある話なんだけど

夢へのスタンスって
あるじゃん」


「スタンス?」


「そ。
オレは本気で
プロのダンサーになりたかったし
でもチームの奴らの中には
『カッコイイから』とか
『女寄ってくるから』とか
『趣味で』とか
色〜んな奴がいるわけ


テレビに出るのは
5分程度
でもオレは、完璧に近付きたい

けど
『今出来る辺りで
充分なんだし
上位
これでなれてるじゃん』

そういう奴もいる。


そんな葛藤の中で
文化祭の出し物の振り付け

うまく行かない所
ソロでやってたわけです

暗くなっても
昇降口の光で明るい
エントランスん所でね」


「………よく
やってるの見てました」


「だよね」


「あ

…………はい」


「普段放課後早くは
女寄って来てて
特に遠く見るなんて事も
無かったんだけど

その頃、東京出るって話して
彼女と揉めててさ
一人ぼっち、ロンリーに。

観客も居ない
独りライヴ状態。

うまくいかね〜な〜なんて
ぶつぶつ言って

…二階の教室に電気ついてて
誰かいるな〜ってのは
わかってたんだけど

踊り、上手く決まって
ヨッシャ!!って
顔あげたらさ


君が、スッゲェいい笑顔で
こっち見て
笑ってたくれたワケ。」


……覚えてる

ずっと先輩、
同じ振りしてて

いつも皆と、
楽しそうに踊ってたのに
苦しそうに…練習してた


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