Turquoise Blue 〜空色のベース〜


− ちょっと場所
移動しようか −


加藤先輩はそう言って

私が朝しゃがんでいた
看板の横に座った




「女の派閥みたいのは
こえ〜みたいだし

オレらんトコ
来る奴らとは

ユカちゃん
別の流れにいるから
声かけてこねえんだろうな
ってのは、
思ってたけどな。

『来るんじゃね〜よ』とか
追い払ってる女らも居たし



「よく知ってますね…」



「面倒クセエから
言わないだけ。
結構男もちゃんと見てるよ」



…そうなんだ……



「でだ。
キチンと付き合いませんか?」


「…はい?」


「リナは彼女じゃないよ
あいつ、いい加減だからさ
そこからまず治せって
コーチみたいなもん。
今までの男が悪すぎる」




「で、でもリナは!!」



「強引に押されたら

オレは誰とでも付き合わないと
いけないのか?」



「…そ

ういう事は言ってませんけど…」



「オレ、鍛えてるし
基本マイホームパパ気質だし
いい彼氏になると思うよ

それに
変な友情持ち出して
オレを振っても
オレはリナとは
未来永劫、付き合う気はない」



「…何でですか…」



「リナは、オレにとっては
女に見えないから」



女………



「Azurite…」



「わっは

あの人は
超越してるでしょ
ホントに歌姫。

…空みたいなもんだ」



「そら?」



「− あの空に届きたい

もがいてもがいて

やっと空だと思ったら
掴めなくて

気付いたら地球を見下ろしてた

…そんなイメージ


オレはさ
オレを見ててくれる奴がいいんだ

リナもいい所、あるけど
あいつも
自分を見ていて欲しい人間だから


…だからさ

オレと 付き合ってよ

ユカちゃん」





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