パーフェクト彼女の恋煩い
急いで身支度を整えて、今日も完璧に可愛いことを確認してから家を出る。
通学路を歩いていると、すれ違う人間がこちらをチラチラと見ては赤面する。親しくもない同じ制服を着た人間に口々に挨拶をされる。
その挨拶に適当に返しながら、オシャレな私服を着ていた兄はまた今日もデートに行くのだろうかと考える。
私はこんなに可愛いのに、今まで誰とも付き合ったことがない。
1日に何度も告白ならされるが、一度もokしたことはないのだ。
それは特に今まで好きな人ができなかったというのもあるし、この可愛さゆえに周りが牽制しあい、猛アタックされることもなかったように思う。
誘拐されそうになったことなら何度かあるが。