それは薔薇の魔法~番外編~
自室に戻り、ルークから送られてきた手紙を受け取る。彼女らしい優しさや温かさが滲み出ているような美しい字は案の定、彼女の優しさが溢れる内容だった。こちらには父上たちもいるのだから心配しなくてもいいと言っているのに。
どちらかといえば大変なのはローズの方だろうと言いたくなるが「私は支えることしかできませんから」という言葉が返されるに違いない。謙虚は美点だが私にとってはそれがとても大きな力になるのだからそこまで控えめでなくてもいいのだが…それがローズだからな。
植物が縁取られた便箋に手紙の返事を書き、最後の方にローズの両親に挨拶をしたいことを書く。短い間だっかもしれないが、その分たくさん愛していたであろう娘さんをすでに頂いてしまったので怒られるかもしれないが、そこは甘んじて受けるべきだろう。
そして是非お願いします、私もシリル様を紹介したいです、嬉しい、などとこちらの方が嬉しくなるような返事がきて、体調も良くなったので離宮からこちらに戻り、いろいろな騒動はあったものの無事に産まれて盛大にパーティーも挙げ、と忙しい日々を送って今日、やっと私たちはローズの両親が眠る場所に来ることができた。