君に初恋………ー母の遺した宝物ー
病院へ行く道のり、駅まで歩いて五分。


そこから、タクシーで病院で行こうと駅の時計台の下で時間の確認をしてると、肩をポンと叩かれる。


「おお!ビンゴ。まぢタイプだ、ねぇ暇?

今からどっか行かない?」


「奢るからさぁ」

二人組みのチャラそうな男達に、引き気味に後ろに下がると真後ろは壁。


「やめてください!!

用事があるんで」


壁と男達に挟まれ身動きがとれない。

私の大声に、気づく通行人はヒソヒソ話をするだけで誰も間に入って来ない。



一人の男が、壁に手をつき行き場を阻む。


いわゆる壁ドンだ。


「なぁに??聞こえない。クックッ、可愛いな。もう連れてっちゃおうぜ」


男の腕が伸びる…………ーーー

ガン、と鈍い音がした。


< 73 / 131 >

この作品をシェア

pagetop