君に初恋………ー母の遺した宝物ー
誰の手も、伸びてこない。


閉じていた目を開けて見えたのは………


見知った後ろ姿。


「なにしてんの、あんたら。

俺の女になんか用…?」


なんで……………?


「廉くん。どうして…ここに」

絞り出す声が、震えて瞳も揺れて。

大きな背中に守られて、涙が溢れそうになった。

振り返る廉くんの顔を見たら、涙が零れ落ちてきた。



「つーか、人の女泣かせていいと思うなよ!」

鋭い視線を、男達に向けた。


男達は、一歩また一歩引き下がる。


そして青白い顔をして逃げて行った。


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