いつの間にか 好きだった
「戸田さんは たまに優しいですよね〜。」


「たまにって なんだよ!」


戸田さんと居ると 心が温かくなる


見た目は無愛想で 話にくい雰囲気を出してる
言葉使いは キツイかもしれないけど 優しい


あっと言う間にマンションに着いてしまった


もう少し一緒に居たい
そう思うのは私だけかな?


「お茶飲んで行きますか?」


一瞬 驚いた顔したけど すぐに元の顔に戻り “今度な”と言って 私の頭を乱暴に撫でて 来た道を歩いて行った



返事は NOだって わかってた
何度か 送ってもらった事があったけど
一度も家には入ろうとしなかった


ちゃんと壁を作ってる
だから 好きにならないようにしてる


でも 戸田さんと居ると 心地が良くて ふと気が緩むと 好きになってしまいそうになる


戸田さんは 副社長になるんだし 私が手を出せる相手では無い事は わかってる


一緒に働けるだけで 良い
身をわきまえてる つもりだ



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