いつの間にか 好きだった
「私 酔ってないんだけど…。」


誰も居なくなったのを確認して 話し出す


「知ってる。」


じゃー何で嘘ついたの?


肩に置いてあった手が離れ 寂しいと思うのも一瞬で 私の手に触れ ぎゅっと握ってくれた


心臓がどくんと跳ねた
驚きと恥ずかしさで 顔は真っ赤だろう


戸田さんが どう言う気持ちで 手を繋いだかは わからない
でも 嫌じゃない


寧ろ 嬉しい
戸田さんの体温が心地良い


何も話さなくても良い この空間も心地良い


しばらく歩いて ふと気付く


「戸田さんの家って 真逆じゃないですか?」


「今更?」


もう 家の近くだ
気付くの遅かった私も悪いけど なんで?


私が申し訳なく思っていると


「散歩したかったから。」


やっぱり優しい 戸田さん
散歩なんてしたい訳ない 面倒くさがりやの戸田さんは 近くのコンビニに行く時だって嫌がってるのに

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