クールで強引な王子様

寒がりな王子様


矢川君のお家を訪問してから、既に数ヶ月が経った。

次の日から普通に登校して来た矢川君。

それが嬉しくて、心の中でポワポワと暖かくなった。

朝の挨拶だけだったのが、聖君もまざり、お昼を一緒に食べたり、休み時間にくだらない話をするようになった。

「ふぇっくし!」

突然のくしゃみ音にビックリし、した方を見ると寒そうに両手を擦り合わせている矢川君の姿がみえた。

「矢川君、寒そうだね」

といい、あったかいカイロを渡した。

どうやら矢川君は冬が…というか、寒いのが苦手らしい。


「そういえば城崎、クリスマス暇?」


「えっ?
暇だけど、どうして?」


「どうせ暇人だろうから俺が相手してやるよ」


そう言い、優しくデコピンをした。

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