きたない心をキミにあげる。


涙なんてどっかに引っ込んでしまい、一気に恥ずかしさとイライラがつのっていく。


圭太は顔を隠したまま。


もしかして泣いてる?



もそもそと布団の上をはって、腕を外してみる。


泣いてはいない。


その代わり、きつく目をつぶり何かに耐えているようだ。



すぐに腕を振りほどかれた。きゅっと胸が切なくなる。



「ちょっと、ありえないんだけど」


「……だって」


「だって?」


「愛美に触りたくて、でも、今は触りたくなくて」


「へ?」


「もう無理! 寝る!」



腕で半分隠れた顔と耳が赤くなっている。



ドキドキしてるくせに。触ってほしいのに。


どうしてそんなこと言うの?



何だか悔しい。



だけど彼を見ていると、早い鼓動が伝わってくるような気がした。


私が触れたくなった。



どうやったら圭太はもっとドキドキしてくれるかな。


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