きたない心をキミにあげる。
『ねえ、お兄ちゃんの友達と会ってみたい』
『何言ってるの。だめだよ』
『えー何で? 普通に妹として挨拶するくらい問題ないでしょ?』
『愛美のこと好きになられたら困るから』
そんなことを伝えると、愛美は『ちょっと、照れるじゃん』と言い、
僕が似合ってると伝えて以来、ずっとしているポニーテールを揺らし、肩を寄せてくる。
自分次第で愛美をどうにでもできるという優越感と、
父以上に汚いことをしているかのような、自分への嫌悪感が、僕の中で混ざり合っていった。
僕は別に愛美が好きなわけではない。
しかし、愛美は本気で僕を愛しているらしい。
愛美はアルバイトを辞めた。
だいぶお金は貯まったし、僕といる時間を増やしたいから、とのことだった。
複雑な気持ちになったが、僕も夜遅くにならなくて安心だよ、と伝えておく。
色々調べたんだけど、連れ子同士って普通に結婚できるんだって。
へぇ、じゃあこうやって愛美をぎゅっとするのって大丈夫なことなんだ。
まっすぐな愛美の想いを日々浴び、それに応える。
更に愛美は僕への想いをつのらせる。僕もまた応える。
次第にこの繰り返しに終わりは来るのか、
来るとしたらどんな嫌な結末になるのか、という不安が生じてきた。
しかし、愛美を抱くことは止められなかった。
何も考えられなくなるような、快楽に溺れるだけの瞬間が欲しくてたまらなかったから。
やはり、僕は父の血が流れている、汚れた人間だったのだ。
行為の後、何も考えないまま眠ろうとしたが、
『いつかお兄ちゃんと手つないでデートしたいなぁ』
と言って、愛美は上目で僕を見つめた。
『だめだよ、親に怪しまれるかもしれないから』
口を尖らせる彼女を見て、仕方がないから誕生日プレゼントくらいは買ってやろうと思った。
僕にベタ惚れの愛美のことだ。
エサを与えれば、今の秘密の関係をしばらくは平穏に保つことができるだろう。